いやはや、多忙とやる気のなさから、2ヶ月もの間更新を怠っておりました。申し訳ございません。
久しぶりに再開いたします。
書くといってなかなか書かない「カトマンドゥの道」、そしてもう何を書いていたのか忘れてしまった「己志水滸伝」やらいろいろありますが、気を取り直して更新して行こうと思います。
カトマンドゥに至っては下手すると1年前の旅日記になってしまいそうです。早めに片をつけないと・・・。
それにこの休載期間も、ライブや旅行、展覧会、読書など、ネタはいっぱい溜まってるんですけどね。いかんせん、平日は仕事に追われ、休日はゴロゴロしたり何やかんやでブログという気分にはなりませなんだ。
さて言い訳はこれぐらいにして、今申しましたとおり、GWは旅行なんぞにも行って参りました。
場所は残念ながらネパールではなく、日本の飛騨高山です。
そちらの旅行記は別の機会として、その旅の間、高山市内で私の心を虜にする張り紙があらゆるところに張られていました。

「広重名所江戸百景展」
行きたい・・・。
旅行そっちのけで。
というか、私からしてみればそのポスターのセンスの良さにやられました。
また、高山という小京都の街並みにピッタリマッチしてしまっており、私は思わずこのポスターをどこぞで頂けないものかと思案しておりました。
まぁそれは叶うはずもなく、私は旅行を終えて高山から江戸の街へ戻ってからも、あの絵のことが気になっておりました。
江戸百景。
それは歌川(安藤)広重の作。
私は浮世絵といえば(己志でとりあげた)歌川国芳・河鍋暁斎以外あんまり知らず、先日ようやく「北斎展」というやつに行くことができたという程度です。
そして北斎の絵に関しては、富嶽三十六景の有名な波の絵や赤富士には感動したものの、基本的には「やっぱり国芳やな」という感想をお持ちになりました。
しかしながら、広重の絵は興味があり、東海道五十三次などぜひともいつかじっくり全部観てみたいと思っておりました。
そんな広重への興味を一気に加速させてくれたあのポスター。
私はさっそく図書館で鑑賞でもしようかと思い、足を運びました。
そこで手にとったのが今回ご紹介する本、謎解き広重「江戸百」(原信田実著)。
実は以前書店で手に取ったことがあり、せっかく東京に住んでるし、読んでみようかなと思っていた本でした。
しかし切り口は広重の絵の紹介というより、その絵が描かれた背景にせまる解説本といったところです。新書サイズだしね。
以前読んでみたいなと言った、「広重コード」も似たような感じなのでしょう。
読んでみて、絵そのものを初めて観るのに、うんちくがたくさん書かれているのでちょっとキツいなと思いました。やっぱりつべこべ言わず、まずは絵を見て楽しむべきだったかな。
とはいうものの、出てくる絵がどれも素晴らしく、また広重の近景と遠景を使った構図のおもしろさには感動いたしました。
それからやはり謎解きについても、江戸百が書かれたのが、安政の大地震に対する復興の願いを込めたものだという説に納得せざるを得ませんでした。
最後まで見てみると、解説本としてなかなか良いものだったと思います。
ひょっとすると忘れてしまい勝ちな、浮世絵が絵師・彫師・摺師の共同作業によるものだということも改めて感じられましたし、さらに版画であるがゆえに、それは大衆(マス)を相手にした作品であることを思い知らされ、西洋美術や肉筆画などとは作者の意図が大きく異なるものだということがよく分かりました。
浮世絵が漫画のルーツだと言われるのは、絵のコミカルさだけでなく、このように大衆を相手に描かれた、つまりエンターテインメント性を持っているという部分も大きいのでは無いでしょうか。
本を読んで、今さらながら作品にはその作られた時代背景や、作家の人生などが大きな影響と深みを持っているのだということを感じました。
さて、私が心惹かれたポスターの絵ですが、ゴッホが模写したことでも有名な「亀戸梅屋舗」という作品です。(だそうです。)
江戸百景の中でも特に有名なのだそうですが、確かに跳びぬけて素晴らしい作品ではないかと思います。
梅の木の大胆な迫力と、赤と緑のグラデーションのような背景が、青を基調とする他の多くの作品とは違う魅力を持っています。
広重作品も、もっと観て勉強したいと思います。浮世絵は奥が深い!
今回はこれにて。またお会いしましょう。
(おわり)
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